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東京高等裁判所 平成3年(行ス)10号 決定 1991年12月16日

抗告人

東京拘置所長

中間敬夫

右抗告人指定代理人

開山憲一

外四名

相手方

林廣治

丸尾雅徳

黒宮雪彦

鈴木正美

大道寺将司

大竹紀歳

稲葉昇

筒井修

伊藤悠子

辻田雄一

向井孝こと

安田長久

後藤譲

松沢哲成

長谷川修児

永井美由紀

安島敏市

水田ふうこと

生和佐知子

上野のぶよ

西巻信行

大道寺幸子

吉川恵

竹谷俊一

横尾一

山崎博之

松沢信子

貴志哲也

放出吉倫

宮崎英子

被参加人

甲野一郎

主文

一  原決定を取り消す。

二  相手方らの補助参加の申出を却下する。

三  補助参加の申出に対する異議の申立及び抗告の申立によって生じた費用は、相手方らの負担とする。

理由

一抗告人は、主文同旨の裁判を求めた。抗告の理由は別紙抗告状における抗告の理由記載のとおり(抗告状において援用する抗告人が原審で提出した補助参加申出に対する異議申立書を含む)である。

二当裁判所の判断

相手方らは被参加人の抗告人に対する行政処分取消請求事件(東京地方裁判所平成二年(行ウ)第一六号)において、被参加人のため補助参加の申出をした者であり、右訴訟の結果に直接の利害関係を有する旨主張する。

民事訴訟法六四条は、補助参加の要件として、訴訟の結果につき利害関係を有する者であることを定めている。そして、ここにいう利害関係とは、訴訟の結果、すなわち訴訟上の請求について判決主文によって示される裁判所の判断の結果を論理的な前提として、私法上又は公法上の権利又は法的地位に法律上影響を受けるという法律的な利害関係であることが必要であり、事実上の利害関係を有するにすぎない者や単に訴訟の結果につき反射的利益を有するにすぎない者はこれに該当しないというべきである。また、ここにいう私法上又は公法上の権利又は法的地位という場合、それは具体的な権利又は法的地位でなければならないというべきである。

ところで、相手方らは、いずれも被参加人が外部交通をしようとして外部交通許可申請書にその宛先として記載された者であるというのである。

そうであれば相手方らと被参加人との関係は、被参加人が相手方らに対し現実に通信を発した場合にはこれを受け取ることができる立場にあるというにすぎず、私法上又は公法上の具体的権利にかかわる意思表示に関する通信である等の特段の事情がない限り、これをもって被参加人からの通信を受けることにつきなんらかの具体的な権利ないし法的地位を有するとみることはできない(なお、被参加人の申請が許可されれば、その発信行為により通信を受け得ることになるが、単に通信を受け得る立場にあること自体は一般国民が等しく有する地位にすぎず、これをもって反射的利益として論ずるまでもないといえる。)。

以上のとおり、相手方らが被参加人から信書を受けること自体具体的な権利関係とみることはできず、したがってまた被参加人と抗告人との間の本件訴訟の結果につき法律的な利害関係を有する場合にも当たらないというべきである。

以上によれば、相手方らによる補助参加の申出はその要件を欠き却下を免れないというべきである。

三よって、相手方らの補助参加申出を許可した原決定は失当であるからこれを取り消し、相手方らの補助参加の申出を却下することとし、補助参加の申出に対する異議の申立及び抗告の申立によって生じた費用は、相手方らに負担させることとして、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官上谷清 裁判官滿田明彦 裁判官亀川清長)

別紙抗告の理由

一 本件訴訟の内容

本件補助参加の申出に係る本案の訴訟(以下「本件訴訟」という。)は、原告(死刑確定者)である被参加人が、被告である抗告人において、被参加人の処遇に際し、外部交通の拒否の判断に資するため、予め被参加人から「外部交通許可申請書」と題する書面により外部交通の相手方として予定する者を申告(以下「本件申告」という。)させ、これにつき一般的な意見ないし希望を告知した行為(以下「本件告知」という。)をもって、外部交通を不許可とする行政処分であるとして、その取消しを求めているものである。

二 原決定

補助参加申立人である相手方ら(以下「本件相手方ら」という。)は、いずれも本件申告において外部交通の相手方として記載されている者であり、本件訴訟の結果につき利害関係を有するとして本件補助参加の申出をした。

これに対し、原決定は、「行政事件訴訟法七条によって準用される民事訴訟法六四条の「訴訟ノ結果ニ付利害関係ヲ有スル」とは、訴訟の結果、すなわち、判決主文によって示される請求についての裁判所の判断の結果について、私法上又は公法上の権利関係に法律上影響を受けるということを意味するものである。」(原決定三丁表九行目から同丁裏二行目)とした上で、本件補助参加の申出につき、「申立人らは、右不許可処分(本件告知・抗告人註)の取消しを求める本件訴訟において被参加人が敗訴判決を受ければ、被参加人と面会し又は被参加人との間で信書の発受を行うという公法上の権利関係に法律上影響を受けることになるものというべきである。」(原決定三丁裏六行目から九行目)との判断を示し、本件補助参加の申出を認めた。

三 抗告人の主張

しかし、本件補助参加の申出につき、本件相手方らが行政事件訴訟法七条によって準用される民事訴訟法六四条の「訴訟ノ結果ニ付利害関係ヲ有スル第三者」に該当しないことの理由については、抗告人が補助参加申出に対する異議申立書において主張したとおりであるので、これを援用するが、原決定の理由にかんがみさらにふえんし、原決定の誤りを明らかにする。

1 死刑確定者の外部交通

(一) 表現の自由、通信の自由は憲法が保障する基本的人権であるが、それは絶対的な自由ではなく、一定の制約に服するものであり、ことに、在監者のように身柄の拘束を受けている者については、その拘禁の目的、性格からくる制約を受けるものである。ところで、監獄法は、死刑確定者には、特段の規定がない限り、刑事被告人に関する規定を準用すると定めている(同法九条)が、右規定は、死刑確定者を未決勾留されている刑事被告人と全く同様に扱うことを定めたものではない。すなわち、未決勾留による拘禁については、いわゆる無罪の推定を受ける者を専ら逃走及び罪証隠滅の防止を目的として身柄を拘束するものであるが、死刑確定者の拘禁は、死刑執行の確保という死刑執行の前置手続としてあるものであり、死刑執行に至るまでの間、逃走を防止し、心情の安定を図るためのものであって、罪証隠滅の防止は再審請求の場合を除き考慮する余地はない。したがって、右規定は、未決勾留による拘禁と死刑確定者の拘禁とは、その法的な目的及び性格を異にするものである以上、死刑確定者の処遇に関する別段の規定がないときには、刑事被告人に関する規定を死刑確定者に準用するに際し、その解釈・運用についてまで刑事被告人と同一の扱いにすることを要求しているわけではなく、右に述べた未決勾留による拘禁と死刑確定者の拘禁との法的な目的及び性格の差異に応じた修正を施した上で、その拘禁の目的及び性格に応じた適正な処遇がなされるべきことを定めたものである。

(二) 死刑確定者は、社会復帰はもちろん生への希望をも断ち切られている点において他の被拘禁者と大きく異なるところ、このために死刑確定者は、あるいは絶望感にさいなまされて自暴自棄になり、あるいは極度な精神的不安定状態を招来し、あるいは自己の生命・身体を賭して逃亡を試みるなどして将来の死刑執行を困難にするおそれがないとはいえないばかりか、拘禁施設の現場担当者の管理に支障・困難が生ずる危険性が他の被拘禁者に比べて高いものであることは容易に推察されるところであり、そのため、死刑確定者については、その管理の必要上、精神状態の安定について格段の配慮を行う必要があるところである。かかる見地から、行刑実務上、「死刑確定者の接見及び信書の発受について」(昭和三八年三月一五日矯正甲第九六矯正局長依命通達・乙第一号証)により、概ね、①本人の身柄の確保を阻害し又は社会一般に不安の念を抱かせるおそれのある場合、②本人の心情の安定を害するおそれのある場合、③その他施設の管理運営上支障を生ずる場合、以上に該当するときには外部交通を制限することとしているのであるが、外部交通を制限すべきかそれとも認めるべきかは、当該施設の実情と被拘禁者の精神状態等多くの要因を考慮して判断すべきものであって、その判断は専ら当該施設の長の専門的な裁量的判断に属するものというべきである。

(三) 拘置所長は、右に述べたところにより、一定の合理的範囲内における自由裁量の権限に基づき、死刑確定者からの個別具体的な面会又は信書の発受の申請に対し、その都度、相手方のみならず、時期、目的、信書の発受であればその内容、面会であればその時間等を考慮して、許可とするか不許可とするかを判断して決定しているのであるが、これによって死刑確定者の外部交通が認められる、あるいは認められないという効果が生じるのである。つまり、死刑確定者の外部交通に関する公法上の法律関係に影響を及ぼすことになるのは、拘置所長が行う個別具体的な外部交通に関する申請に対する許可決定あるいは不許可決定によるのである。

(四) 抗告人は、右の趣旨にのっとり、死刑確定者の外部交通の取扱い基準として、外部交通の相手方については、原則として、本人の親族及び本人について再審請求を行っている場合又は民事訴訟を提起している場合は、再審請求に関係している弁護士又は民事訴訟の代理人である弁護士に限定するが、その他、面会又は信書の発受により本人の身上の安定に資すると特に認められる者、あるいは訴えの提起や告訴等裁判所又は権限を有する官公署あてに行う文書の発信あるいは訴訟の準備のために弁護士あてに行う文書の発信等については、それが本人の正当な権利保護のために必要かつ、やむを得ないと認められる場合には、その都度個別的に外部交通を許可するとの基準を立て、これに基づく運用を行っている。

2 本件告知の法的性格

(一) 本件相手方らは、補助参加の要件である訴訟の結果についての利害関係として、被参加人がした本件申告において外部交通をしようとしている者らであり、抗告人がした本件告知により、被参加人との面会又は信書の発受が妨げられているということを主張している。

(二) しかし、本件申告は、抗告人が、右1の(四)の取扱いを適正に実施するに当たって、東京拘置所に拘禁されている死刑確定者の外部交通の相手方を事前に承知しておくために、所定の「外部交通許可申請書」に当該死刑確定者が予定する外部交通の相手方を記載させて提出させたものであって、被参加人において個別具体的に本件相手方らとの面会又は信書の発受の許可を求めたものではないのである。それ故、面会時間も信書の内容も全く白紙の状態にある。したがって、この段階においては、本件相手方らの地位が影響を受けると主張する権利と被参加人との間の外部交通に係る関係は、本件相手方らないしは被参加人が将来、互いに外部交通の相手方として外部交通をしようとするかもしれないとの内心的な意思状態があるというものであって、単なる事実上の関係があるに過ぎないものであり、外部交通に係る法律上の関係には至っていないのである。また、本件申告は、本件申告により明らかになった外部交通の相手方予定者について調査した結果に基づいて前記基準の適合性を告知したというものに過ぎないのであり、未だ具体的現実的に本件相手方らと被参加人との外部交通が妨げられているという事態には至っていないのである。およそ死刑確定者を含めた在監者の外部交通の許否を判断するについては、その相手方のみならず、時期、目的、信書の発受であればその内容、面会であれば時間等を考慮する必要があるが、これらの諸要素が明確になっていなければその許否の判断をなし得ないのであり、本件告知があったからといって、被参加人と本件相手方らとが接見又は信書の発受ができないという直接の効果をもたらすのではなく、被参加人から個別具体的な面会又は信書の発受の許可申請があれば、右諸要素を判断した上許可あるいは不許可の決定をするのであり、本件告知があっても、他の諸要素を考慮して許可の決定がなされることもあり得るのである。

現に、例えば、被参加人と弁護士喜田村洋一との外部交通については、右のように個別具体的な許可・不許可の決定がなされているところである。すなわち、東京拘置所では、被参加人に対する死刑判決確定後の、昭和六二年四月二七日、所定の手続きに従い、被参加人に対し同日から死刑確定者として処遇する旨を言い渡し、その処遇内容を説明する際に、外部交通の相手方は原則として親族及び再審請求又は現在係属中の民事訴訟の代理人たる弁護士に限定するので、外部交通の予定があれば、事前に外部交通許可申請書と題する所定の用紙で申し出るよう関係職員から告知したところ、同月三〇日、外部交通許可申請書と題する書面により、弁護士喜田村洋一について民事訴訟(新聞抹消)のために必要として外部交通の予定者としての申告があった。そこで、抗告人は、これを検討した結果、弁護士喜田村洋一は、現に係属する民事訴訟の代理人たる弁護士に該当するとして、包括的な外部交通を認める取扱を行う意思のある旨告知した(<書証番号略>)。しかるところ、平成二年一月一七日、当該民事事件の確定に伴い、一般的な制限を行う状態に戻す必要が生じたため、抗告人は、同弁護士については、一般的外部交通を「否」とすることとし、翌一八日、その旨を被参加人に告知した(<書証番号略>)が、さらにその後平成二年五月一九日に至り、被参加人から発信下書用紙に信書の内容を記載して、自己の権利救済のため必要があるとして同弁護士との外部交通の許可を求める申請があったため、抗告人はこれを検討の上、許可する旨の行政処分を行っているのであり(<書証番号略>)、許可ないし不許可の判断は個別具体的に行っているのである。

(三) 以上のとおり、本件告知によって被参加人側の申請による外部交通に関する本件相手方らの公法上の権利関係は何ら影響を受けるものではないから、本件相手方らの右権利関係が、本件告知の取消しを求める本件訴訟の結果によって法律上の影響を受ける余地はない。

なお、以上の主張は、本件告知の処分性に関わる問題でもあるところ、原決定は、本件告知が、「行政庁としての一応の基準を被参加人に告知したに過ぎないから、申立人ら(本件相手方ら・抗告人註)の法律上の地位に影響を及ぼすものではない旨主張するが、本件においては、このような相手方(抗告人・抗告人註)の主張の前提である右不許可処分(本件告知・抗告人註)の法的性質ないし処分性の有無自体が争点の一となっているのであるから、右のような理由によって、申立人らが本件の結果に利害関係を有するものではないということはできない。」(原決定四丁表一行目から六行目)と判示している。しかし、本件告知の処分性の争点に限っていえば、本件告知の処分性があるとの被参加人の主張が認められず、被参加人敗訴の判決(訴え却下の判決)を受ける場合には、本件告知は単なる事実上の行為でしかなく、そもそも本件相手方らと被参加人との間の外部交通に関する権利関係に法律上の影響を及ぼすものではないから、翻って、本件相手方らにおいて本件訴訟の結果につき法律上の利害関係を認めることができないのである。

(四) また、仮に、本件告知が処分性を有するものであるとしても、前述したとおり、本件相手方らと被参加人との間の外部交通が具体的に認められるあるいは認められないという効果が生じるのは、個別具体的な面会又は信書の発受の許可申請に対する決定によるのであるから、本件告知はいわばその後に終局的な処分を予定している中間的な行為ということができる。すなわち、本件相手方らが、被参加人と面会又は信書の発受を行うには、被参加人ないしは本件相手方らが個別具体的に本件相手方らないしは被参加人と面会又は信書の発受を行うことにつき許可を得なければならないのである。そして、右許可の判断は、抗告人が改めて外部交通の相手方が誰であるかの点のほかに、時期、目的、信書の発受であればその内容、面会であれば時間等を考慮して行うことになるが、本件告知後の事情も当然考慮に入るものであるから、本件告知における判断がそのまま右許可の判断を拘束する性質を有するものでもないというべきである。

そうすると、本件告知が行政処分であるとしても、本件相手方らの被参加人との外部交通に関する権利関係への影響は、未だ不明確・不確定的なものというべきであるから、被参加人が本件訴訟で敗訴したとしても、本件相手方らの外部交通に関する権利関係について法律上の影響が及ぶ場合であるということはできない。

四 結論

以上のとおり、本件相手方らは、本件告知の処分性の有無のいかんにかかわらず、行政事件訴訟法七条によって準用される民事訴訟法六四条の「訴訟ノ結果ニ付利害関係ヲ有スル第三者」に該当しないことは明らかであり、原決定には判断に誤りがあるので、抗告の趣旨記載の裁判を求める。

平成三年七月二三日

右抗告人指定代理人 開山憲一

外一名

別紙補助参加申出に対する異議申立書

被告は、補助参加申出人林廣治外二七名の補助参加の申出(以下「本件各補助参加申出」という。)に対し、以下のとおり異議を申し立てる。

一 補助参加は、「訴訟ノ結果ニ付利害関係ヲ有スル第三者」のみがなしうるのであって(民事訴訟法六四条)、この訴訟の結果につき利害関係があるとは、当該本案訴訟の判決の効力が直接参加人に及ぶ場合のほか、その判決によって参加人の私法上又は公法上の地位が法律上なんらかの影響を受ける場合も含まれると解されているところ、本件補助参加申出人は、いずれも、これに該当しない。

二 本件各補助参加申出人は、いずれも、原告が、本案の訴訟において問題とする「外部交通申請書」と題する書面に外部交通の予定者として記載された者である(訴状別表1及び2)が、本案の訴訟において争点となっているところのことは、平成元年一二月二八日に被告が行った一般的な外部交通の取扱に関する意見ないし希望を告知した行為である。これは、刑法一一条二項に基づき死刑確定者をその刑の執行に至るまで監獄に拘禁する監獄の長と、監獄に拘禁中の死刑確定者との間の監獄法令条の法律関係に関連するものであり、本件補助参加申出人との法律関係に関連するものではない。すなわち、被告が行った行為は、被告と東京拘置所に拘禁されている死刑確定者たる原告との間の限定された法律関係において、外部交通の許否の判断を行うべく、あらかじめの一般的な取扱に関して、同所長が行政庁としての一応の基準を原告に告知したというのに過ぎないから、本案についての判決によっても、本件各補助参加申出人の法律上の地位になんらの影響を及ぼすものではないのである。

三 もっとも、原告は、被告の前記行為を行政処分であると主張しているが、仮にこれを原告の主張するように信書発信についての制限に関する行政処分であるとしたところで、右行為は原告の信書発信の権利に影響を及ぼすことがあるとしても、本件各補助参加申出人の法律上の地位になんら影響を及ぼすものではない。本件各補助参加申出人は、右行為により自らの原告との交通権に直接影響を及ぼすと主張するが、右影響なるものは、原告が本件各補助参加申出人に対して信書を発信した場合にこれを受け取ることが出来るかもしれないとの期待(単なる反射的利益的なもの)に過ぎないものであり、これが判決によって影響を受ける法律上の地位とは無関係のものであることはいうまでもない。原告と本件各補助参加申出人との間で別個・具体的な外部交通についての申請がなされていない段階においては、本件各補助参加申出人の地位が本件の本案判決によって法律上なんらかの影響を与えるということはあり得ないのである。本件各補助参加申出人が原告との交通を図ろうとするのであれば、自ら原告に宛てた信書を差し出せば足りることであり(もっとも、当該信書がそのまま原告に届くか否かは別論である。)、これが、本件の本案判決を受けることによって影響を受けることはないのである。

四 なお、本件の本案の訴訟は、原告が、訴外一五九名の外部支援者との外部交通を確保し、獄中闘争を有利に進めることを目的としてなされたものであり、仮に、御庁が本件各補助参加申出人の補助参加申出を認める決定をした場合は、この決定を前例として、更に、原告を支援する訴外者が相次いで同様の申出をなし、訴訟の打合と称して外部交通を画策してくることは必至であり、ひいては、国の刑事政策に重大な影響を及ぼすに至ることを考慮されなければならないのである。

五 以上のとおり、本件各補助参加申出人らは、民事訴訟法六四条にいう「訴訟ノ結果ニ付利害関係ヲ有スル第三者」に該当しないことは明らかであるから、本件各補助参加の申出は、いずれも却下されるべきである。

別紙<省略>

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